2022-03-29 12:00

小学校のプログラミング教育とは? おすすめの学習教材を紹介

2020年から小学校でプログラミング教育の必修化が導入されました。「小学校のうちからプログラミング教育をしっかり学ばせたい」と考える保護者の方もいるのではないでしょうか。本記事では、小学校で学ぶプログラミング教育の内容から、おすすめの学習教材まで紹介します。



小学校で学ぶプログラミング教育

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プログラミング教育の目的

文部科学省が公開している「小学校プログラミング教育の手引き(第三版)」(※1)によると、小学校のプログラミング教育の目的として、以下の3つを掲げています。

※1:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引き(第三版)」

【小学校プログラミング教育のねらい】

・プログラミング的思考を育むこと

・コンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む

・教科等での学びをより確実なものとする

プログラミング教育によって子供たちの可能性を広げ、発展を続ける情報技術を上手に活用し、将来社会で活躍することも期待されています。

なお、小学校のプログラミング教育では、プログラミング言語を習得することやプログラミングの技能を習得すること自体を目的とはしていません。

プログラミング的思考とは

文部科学省では、プログラミング教育の目的の1つであるプログラミング思考について「自分が意図する一連の活動を実現するために、1つ1つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらよいか、論理的に考えていく力」と定義しています。

つまり「目的を実現するためにどのような処理を行えばよいかを考えること」がプログラミング思考です。

プログラミング教育の事例

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学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの

福岡県の小学校では、宅配便の仕組みの理解や課題解決に向けて、ロボットを使ったプログラミング学習を行っています。ロボットを宅配者と見立てて走らせ、意図した動作になるよう試行錯誤しながらプログラムを開発します。

現在の宅配便の課題に対して情報技術を活用し、未来の宅配便について考えるとともにプログラミング的思考を育む内容となっています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの

東京都葛飾区の小学校では、国語の授業の中でScratchによるプログラミングを取り入れています。「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を、自分と相手の関係を意識しながら適切な敬語表現を用いるプログラムを作成します。プログラミングを学ぶだけでなく、敬語表現の理解をより確実なものにしています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

プログラミング授業

教育課程内の各教科とは別に、プログラミング授業を行っている小学校の事例をご紹介します。奈良県や富山県では、知的障害や肢体不自由など、障害のある児童生徒が通う特別支援教室にて、ビジュアル言語を使用したプログラミングの授業を実施。

プログラミングによる論理的思考力の向上以外にも、工作や音楽など創造力を育むカリキュラムを組むことで満足度の高い学びを提供しています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

https://miraino-manabi.mext.go.jp/content/163

https://miraino-manabi.mext.go.jp/content/161

クラブ活動

東京都江戸川区の小学校では、パソコンクラブでプログラミングを学んでいます。一人1台コンピュータを利用し、Scratch、Viscuit等のビジュアルプログラミング言語を用いたプログラミングを体験します。また、クラブ発表ではパソコンクラブの活動内容を紹介する動画も作成。

プログラミングでは複数人で協力して行うことで学年・学級を超えた人間関係の形成にも繋がっています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

学校を会場とするが、教育課程外のもの

小学生を対象に、大学や企業がプログラミングの学習機会を提供する事例です。福岡県では大学生が小学生のプログラミング授業のメンターとなり、企業と協力してロボットタイプのプログラミングの授業を行います。

大学側もメンター活動を単位認定することで大学生の参加の動機づけおよびモチベーション向上を図っています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

学校外でのプログラミングの学習機会

地方都市や過疎地域では、講師を確保できないことや、プログラミング教育のための機材や環境が整わないため、学校で授業が行えないところもあります。

そのような状況を踏まえ、民間企業や大学が協力し、学校以外でプログラミングを学習できる機会を提供しています。兵庫県では、プログラミング教材を利用してCSRの一環として社会科見学とプログラミング講座をミックスした教育モデルを構築しています。

※参考:文部科学省「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」内事例

プログラミング教育の課題

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指導教員の知識・スキル不足

2020年に小学校で、2021年には中学校でプログラミング教育が必修化となってからも、プログラミング教育を行うためのスキルを持った教員が不足しているのが実情です。また、小学校の場合は教員が全教科に対応しなければならないため、新たにプログラミング教育が必修化となったことで負担が増大するという点も課題です。

プログラミング学習ができる環境が整っていない

プログラミング学習を行うには、数人に一人パソコンまたはタブレットの配布が必要であり、さらにネットワークなどのITインフラを整えなければなりません。それらを小学校全てに揃えるための十分な予算がない地域もあります。

十分なプログラミング学習を行うには、プログラミングスクールの活用や、プログラミング教材を準備して家庭でもプログラミング教育を行うなど、工夫が必要です。

プログラミング学習教材の種類

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学校だけでなく、家庭でも学習できるプログラミング教材があります。しかし、多くの種類があるため、どれを選んでいいか分からない人もいるでしょう。ここではプログラミング学習教材の種類について解説します。

ビジュアルプログラミング言語

テキストではなく、ブロックをつないだり並べたりしてプログラミングする言語をビジュアルプログラミング言語と言います。直感的に操作できるため、小学生でも簡単にプログラミングできるメリットがあります。

小学生向けのプログラミング教材で利用され、ゲームなど複雑なプログラミングを行うことも可能です。ビジュアルプログラミング言語を利用してプログラミングを学ぶには、パソコンやタブレット等の端末が必要です。

アンプラグド

アンプラグドプログラミング(アンプラグド)とは、パソコンやタブレットを使わずにプログラミングを学ぶやり方です。以下のようなものがあります。

  • 「0」と「1」が記載されたカードを用いて、2進数を学習する
  • ヒントを元に宝石を見つける物語の絵本「ルビィの冒険」
  • カメを動かして宝石を取るボードゲーム「Robot Turtles」

アンプラグドでは、パソコンやタブレットなど電子機器を使用しなくてもよいため、手軽に学習へ取り組めるというメリットがあります。ただし、プログラミングに必要な考え方を学ぶことはできますが、実際のプログラミングをやっているわけではないので、コンピュータやプログラミング言語に関する知識が得られるわけではありません。

テキストプログラミング言語

実際のプログラミング言語と同様、テキストタイプのプログラミング言語を用いてプログラムを作成します。C言語やJava、Pythonなど本格的にプログラミングを学びたい人におすすめです。

テキストプログラミング言語で効率よくプログラミングを行うためには、キーボードによる正確な文字入力が必須です。そのため小学生にはやや敷居が高く、キーボード入力に慣れないうちはビジュアルプログラミング言語を利用したほうがよいでしょう。

ロボット

パソコンで作成したプログラムをロボットに組み込み、ロボットを自由に動かすことでプログラミングを学ぶ教材です。ロボットはダンボールで1から自分で組み立てられるものもあります。

ロボットを自由に動かせるだけでなく、オリジナルのロボットを組み立てられるため、子供におすすめです。

ビジュアルプログラミング言語で学ぶ教材

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SPACEBLOCK

「SPACEBLOCK」は小さなマイコンボードを利用してビジュアルプログラミング言語でプログラミングを学習する教材です。世界で広まっているSTEAM教育にも対応しており、小学生でも簡単にプログラミングを学習できます。

パソコンまたはタブレットを使ってプログラムを作成し、マイコンボードに転送することで文字や画像を表示するなど自由にマイコンを動かせます。

SPACEBLOCKについては後述の『プログラミング教材「SPACEBLOCK」とは』の項で詳しく解説します。

Scratch

「Scratch」は、マサチューセッツ工科大学にて開発された、無料で利用できるビジュアルプログラミング言語です。画像や背景などが予め準備されており、それらの素材を使ってアニメーションやゲームを作成することができます。

Scratchは世界中で利用されており、多くのプログラムが公開されています。公開されたプログラムを実行できるだけでなく、自分が作成したプログラムを公開して多くの人に使ってもらうことも可能です。

micro:bit

「micro:bit」は手のひらサイズのマイコンボードで、プログラミングによって画像や音を出力できます。micro:bitで利用できるプログラミング言語は、ビジュアルプログラミング言語であるScratchやMicrosoft MakeCodeの他、テキストプログラミングであるPythonも利用できます。

micro:bitには初等・中等と難易度別のカリキュラムが組まれており、習熟度にあわせて学習を行うことが可能です。

アンプラグドで学ぶ教材

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GLICODE

GLICODE(グリコ―ド)は、ポッキーでおなじみの江崎グリコ株式会社が提供するプログラミング学習向けの無料アプリです。プログラミング言語ではなく、ポッキーを並べることによりキャラクターの動きを制御します。

ルールに従って並べたポッキーをカメラで撮影し、それがプログラムとなって実行されます。子供でもなじみのお菓子を使ってプログラミングを学べます。

テキストプログラミング言語で学ぶ教材

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Raspberry Pi

「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ)は教育用のマイコンボードです。キーボードやディスプレイを接続することでプログラミングを行うことができます。

Raspberry Piはコンピュータとして最低限必要な装置を備えており、パソコンと同じ機能を持ちながら低価格で購入できるため、高い人気を得ています。電子工作の他、IoT入門などの学習用、産業分野でも活用されています。

ロボットで学ぶ教材

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embot

「embot」は、ダンボールと電子工作キットを組み合わせて作成したロボットを、プログラミングによって自由に動かすプログラミング教材です。ロボットは紙などの他の素材や色を付けるなどして自由にカスタマイズし、オリジナルのロボットが作れます。

ブロックを線でつなぐビジュアルプログラミング言語により、子供でも楽しくプログラミングできます。作成したプログラムを転送し、ロボットの手足を動かしたり、LEDライトを点灯したりできます。

mbot

「mbot」は中国のMakeBlock社が開発した、初心者向けのプログラミング教材です。車型のロボット「mbot」を組み立て、「mblock」というソフトウェアを使って作成したプログラムをmbotに転送して動かします。障害を回避したり、決められたコースを移動したり、様々な動作を実現できます。

mbotはドライバー1本で簡単に組み立てられるだけでなく、リモートでコントロールが可能です。ロボットの動かし方とプログラミングの基礎を学べます。

プログラミング教材「SPACEBLOCK」とは

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ビジュアルプログラミング言語を利用したプログラミング教材は多数ありますが、その中でもおすすめの「SPACEBLCOK」について紹介します。

STEAM教育にも対応

STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。アート(Art)、数学(Mathematics)の頭文字をとった教育理念のことです。5つの分野を横断的に学び、問題解決力や創造力を身につける教育のことです。世界中で注目されており、日本でも少しずつ広まってきています。

SPACEBLOCKはこのSTEAM教育に対応し、プログラミングを通じて自分でアイデアを考えて取り組み、問題解決力が身につく内容になっています。

マイコンボードを自由に動かしてプログラミングを学ぶ

マイコンボードはプログラムを組み替えて何度でも動かせます。そのため自由度は無限大。自分のアイデアを形にして表現することで創造力が身につきます。

電光掲示板のように文字を表示することも、画像を表示することも可能であり、ゲーム感覚でプログラミングを学べます。

ビジュアルプログラミング言語で小学生でも安心

プログラミングは難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。SPACEBLOCKではビジュアルプログラミング言語により、ブロックを組み立てるイメージで簡単にプログラミングできます。

また、わからないところはクラスメイトや家族など、複数の人と協力して取り組むことで、コミュニケーションやチームワークも育みます。

モジュールを使えばいろいろできる

SPACEBLOCKはモジュールを追加することで、さらに表現を豊かに拡張できます。LEDパネルを光らせたり、モーターを動かしたりすることも可能。さらにセンサーを取り付ければ明るさ、温度、音、水位や水分の数値化、赤外線センサーの活用もできます。

SPACEBLOCKを使ってプログラミングを学ぼう

子供でもプログラミングを学べる教材が多数あることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ご紹介した教材以外にも、インターネットで「プログラミング教材」で検索すると、さらに多くの教材が見つかります。

プログラミング教材の中でも、SPACEBLOCKがおすすめです。その理由は、STEAM教育に対応していること、ビジュアルプログラミング言語によるプログラミングのしやすさ、モジュールによる拡張性の高さです。SPACEBLOCKを活用してプログラミングを学びましょう。

公式ブログ
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