2023年09月04日 12時00分

「探究的な学び」は「非認知能力」を育む

学校教育は、大きな転換期にあると言えます。コンピュータが普及したデジタル社会に対応すべく、端末操作スキルの推進、情報の真偽を判断する能力など多岐に渡り周知がなされています。「探究的な学び」「非認知能力」の向上が注目されています。知識を多く積み上げることよりも、子供自身が考え、自主的に取り組む姿勢と、そのプロセスを評価する指針。記憶知識の積み重ねから「探究的な学び」へ、認知能力に加えて「非認知能力」の向上へ。なぜ、次世代社会に必要な学びが変わるのか、大人も知っておく必要があります。そして、この方向転換は、就業採用や受験・入試に反映されなければならないでしょう。選択する側・大人側に託された高いハードルでもあるのです。点数順や数値の順列ではなく、人間性や性格・多様化した個性までを含み、選択・判断する労力と時間は惜しむべきものではないはずです。



「探究的な学び」と「非認知能力の重視」は共通項が多い

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授業時間とは教科を記憶するための時間ではなく、考える時間

「探究的な学び」と「非認知能力の重視」には多くの共通項が見られます。主体性や学習に取り組む姿勢を評価するモノサシは新鮮で、子供や若者にとって、有難い改善点となるはずです。テストでの正誤は大きな分かれ道ですが、点数の加点のみにとらわれない視点も同時に学べます。課題を生徒自身が発見する力や、主体的な取り組みを評価することで育まれる”考える力”。授業時間とは、限られた一教科を記憶するための時間ではなく、考える力を伸ばす時間。子供自身の発見から始まり、探究する過程・経過から得る学びは大きいことを再認識できるはずです。

寺小屋風景の回帰を取り入れ 教育の進化を目指す

「寺子屋」と「学校」の響きから、雰囲気の違いを感じる方が多いのではないでしょうか。学ぶ施設という共通点の反面、寺子屋は生徒の年代が幅広いこともあり、自由な発言や、生徒の主体性に満ちた空気感を感じます。規律に従う登校ではなく、生徒は自ら望んで足を運んだ点も大きな違いでしょうか。現代教育で30名の子供と対し、教壇で教師が教科書を進め、生徒が書きとる風景からは子供の主体性が伝わりにくいものです。子供は自分の端末を持ち、学習時間に自ら学ぶべき課題を発見する近未来的な教育風景は、寺子屋風景の回帰と言えるのかも知れません。教育の主役は教師ではなく、一人一人の生徒。機械化の恩恵で実感する皮肉も微笑ましいものです。

それぞれの対義に位置する「詰め込み」と「偏差値」

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「詰め込み教育」と「探究」は対義の位置をとる

「詰め込み教育」は方針としての言葉ではないでしょう。記憶知識の量が、受験や就職に有利な当時の現状を問題提起した揶揄だと思われます。メリットとして時間効率の良さが挙げられます。探究せずに、次の知識の暗記に勤(いそ)しむスピード感は限られた時間で知識量を増やす効率の良さがあります。今では、知識の多くはスマホで簡単に調べられるので、既に在るものを覚えるよりも、新しい課題に向き合う姿勢や問題解決の思考に価値があるとされるようになりました。これはコンピュータ普及とネット社会による時代背景の進化がもたらせた現状と言えます。

偏差値では計れない「非認知能力」を見抜く必要性

認知能力と非認知能力は、反対語の立場を取らないとされています。非認知能力の高さには、認知能力も大きく関わるためです。認知能力の高さは望ましいもので、加えて「非認知能力」の育みを目指したいものです。従来の受験や就職採用では偏差・数字評価・順列での評価が一般的でしょう。選択する側の求める人材として、非認知能力を評価した例が増えることは、教育の面で大きなメリットをもたらすはずです。とても難易度の高い評価と判断になるはずですが、時代背景と次世代へのバトン渡しを考えたときに避けて通ることのできない選択側の責任と言えるのかも知れません。

記憶知識に頼らず、点数比較にとらわれない「考える力」

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道端の花に夢中になり しゃがみ込む子供の好奇心

子供を連れて歩いているときに、道端の花に興味を持ち、しゃがみ込んでしまう子供っていますよね。幼少のころ小さな虫に目を取られ足を止めたことありませんか?

子供の好奇心のアンテナは、とても敏感で感性豊かです。「ほら、早く行くよ。」と打ち切らずに、虫の名前や生態、花の特徴と他の色もあることなど子供の好奇心に寄り添う習慣があると、探究の楽しさを早く知ることになりますね。損得や必要性とは異なる、知への欲求を子供は持ち備えているものです。「これは何だろう?」「どうして、ここに?」という発想こそ「探究心」の第一歩。健やかな成長に欠かせない親のサポートの一環として是非、心掛けていきたいものです。

授業の一環で教わるよりも 深く理解できる主体性

前述の虫や花は数年後に小学校の授業で習うものかもしれません。お散歩での、親との掛け合いから得た知識からは、教科書に載っていない情報も含んでいるものです。例えば季節。気持ち良い春のお散歩か、寒い冬の景色だったのか。物語の一場面のような記憶は、詰め込んだ知識とは異なり他の情報との結び付きを持つ、かけがえのない知識です。可愛かったか、美しく思ったか、生きていることに驚いたか、他に似た種類の生物はあるのか。一つの命であるから大切に見守らなければいけないことを学んだのであれば、それは、とても価値のある学びを得たことになります。

予測困難な時代を進む上で大切な能力とは

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学ぶべきことは何かを 大人が教えてあげられない

次から次へ想定外の新しい問題が起こります。10年前に当たり前だった常識は通用せず、新たな常識や新しい生活様式に取って代わります。過去より積み上げられた知識では解決できず、10年先を考えた発想が解決の糸口となることも。直面した課題に正しく向き合い、備えた知識をなぞるのではなく一例に留め、最適な解決策を導き出せる発想力が求められます。前向きに取り組む姿勢、論理的な考え方、つまずけば立ち上がり、あきらめずに取り組む人間性が評価されます。点数や数字に表せない能力こそ、予測困難な時代に求められる能力だと言えるのではないでしょうか。

探究的な学びが育む非認知能力

伝統的に、教育は受動的な情報の受け入れが中心でした。「探究学習」では、生徒自身が問いを立て、主体的に立体的に探究し、解決するプロセスを重視します。実践活用できる価値のある知識と言えます。そして「非認知能力」は点数や数値で表せない取り組む姿勢・忍耐力・コミュニケーション力などを含みます。採点を有利にする知識の量ではなく、現実的に社会や生活に役立つ能力が、ようやく注目されたと言えるでしょう。コンピュータの普及により、知識と情報の不足は、検索スキルで代替えでき、誰でも簡単にスピーディーに情報取得が可能なネット環境による恩恵でもあります。

探究学習と非認知能力向上に貢献するプログラミング教材「SPACEBLOCK ® (スペースブロック)」

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教育の世界は急速な変化の中にあります。単なる知識の伝達から、創造的な問題解決能力の向上と、多様化した個性の能力の育成と言えます。「探究的な学び」の面白さを知り、「非認知能力」を伸ばすために、プログラミング教材は重要な役割を果たします。論理的に物事を考え、指示と結果の整合性、成功成果の満足感、ときには間違った操作による修正も良い体験となることでしょう。

「SPACEBLOCK ® (スペースブロック)」は、直感で操作できるプログラミング教材。子供が探究的な学びを進める一環として、ゲーム感覚で楽しみながら、主体性をもって取り組めます。STEAM教育を念頭に、日本の教育課程に対応していることも特長的で理想的な教育ツールです。オンライン上で、どこからでもアクセスでき拡張性が高く、長年に渡って使用できるマイコンボードです。「SPACEBLOCK ® (スペースブロック)」は、経済産業省から探究学習等サービスとして認定され、全国の教育機関にも広まりつつあります。(※1)

(※1)

「探究的な学び支援補助金2023」は、学校等の教育機関と教育産業の協力により、探究学習等の高度化を推進する事業です。

・探究的な学び支援補助金2023のご活用について:

https://www.avad.co.jp/news/44/

・EdTech導入補助金2022 株式会社AVAD効果報告レポート(2022年度実施参考)

https://ictconnect21.jp/ict/wp-content/uploads/2023/03/EDT00078_2022report.pdf

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