2022年04月04日 12時00分

マイコンでできることとは? 電子工作初心者にも分かりやすく解説

家電製品や電子工作に使われる小さなコンピュータは、マイコンと呼ばれます。このマイコンは、どのような仕組みや機能があるかご存じでしょうか。本記事では、マイコンについて解説するとともに、パソコンとの違いについても紹介します。


マイコンの仕組み

マイコンの特徴

マイコンでできること

ゼロからのマイコン体験におすすめのプログラミング教材「SPACEBLOCK」

マイコンでできることを理解しよう


マイコンとはなにか

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マイコンは電子機器を制御するコンピュータ

マイコンとは、マイクロコンピュータ(Microcomputer)もしくはマイクロコントローラ(Microcontroller Unit、MCU)の略といわれ、部品の動作を制御する制御用コンピュータで、小さな電子部品です。

例えば電子レンジでボタンを押したら熱を発生して電子レンジ内のものを熱しますが、このように「ボタンが押されたら熱を発生する」といった動作を制御するのがマイコンの役割です。

ボタンを押すなど何らかの入力を行ったら、他の部品が動作する場合には必ずマイコンが組み込まれています。炊飯器や洗濯機、リモコンなどにも組み込まれています。

マイコンとパソコンの違い

コンピュータと言われると、イメージしやすいのがパソコン(Personalcomputer)でしょう。では、マイコンとパソコンは何が違うのでしょうか。

マイコンもコンピュータですが、単一の電子部品のことを指します。そのため、それ単体で動くのではなく他の部品と組み合わせて使われます。

パソコンはキーボードやディスプレイなどの各種装置と組み合わせた一式を指し、プログラムやソフトウェアを実行して処理を行う汎用機器です。オフィスソフトを実行すれば文章や表計算を使って処理ができ、ゲームソフトを実行すればゲームができます。

マイコンとパソコンは「プログラムを実行して処理を行う」点は同じですが、マイコンは部品であり、パソコンは汎用機器という点が異なります。

マイコンの例

マイコンには、1つのICチップで構成される「ワンチップマイコン」、1つの基盤に最低限の入出力装置を付けた「ワンボードマイコン」、OSを搭載してパソコンに近い性能をもつ「シングルボードマイコン」があります。

ワンチップマイコンには、以下のような例があります。

・PICシリーズ(Microchip Technology社)

・STM32シリーズ(STMicroelectronics社)

・nRF51/nRF52シリーズ(Nordic Semiconductor社)

ワンボードマイコンでは「Arduino」が有名であり、統合開発環境(IDE)を備え、電子工作にもよく使われます。

シングルボードコンピュータは「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ)という機器が人気です。OSをインストールできるため、本格的なプログラミング言語やアプリの使用が可能です。

マイコンの仕組み

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マイコンの構成

マイコンには1つのチップの中に複数の機能が組み込まれています。具体的には、情報の入力を受け付ける「入力装置」、情報を制御や演算を行う「処理装置」、情報を記憶する「記憶装置」があります。

これらの基本構成以外にも、専用部品を組み合わせて扱うことも可能です。ここでは、基本構成となる3つの装置について説明します。

CPU

CPUは中央処理装置とも呼ばれ、各装置の制御および情報の演算を行います。人間でいう脳を司ります。

CPUは高速で計算を行うことができますが、単純な計算しかできません。基本的に入力装置から入力された情報および記憶装置に記憶されている情報を取り出し、足し算や引き算、論理演算を行います。また、計算した結果を出力装置に送り、情報を出力するといったことを行います。

CPUは一度に計算できる情報量によって、8bitCPU、32bitCPUなど種類があり、高性能なCPUほど多くの情報を高速に処理できます。

RAM

RAMは記憶装置の1つであり、主にCPUが計算する内容を保存する役割を持ちます。自由かつ高速に読み書きできますが、電源を切ると内容が消えるため、あくまで一時的な保存に利用します。

RAMに用いられる部品は、大きくSRAMとDRAMの2種類があります。SRAMは高速に処理でき、DRAMはSRAMに比べ大容量という特長があります。

ROM

ROMもRAMと同じく記憶装置の一種で、RAMと異なり大容量データが保存できますが、データの読み込み専用(Read Only Memory)です。読み込みしかできませんが、電源を切っても内容が消えないというのが特長です。

例えば、音楽を聞くのに使うCD-ROMは、読み込みのみで内容を書き換えることができませんが、電源を切っても内容はなくなりません。それと同じ仕組みです。

マイコンには、ROMとしてフラッシュメモリを搭載するものもあります。フラッシュメモリでは電源を切っても中身が消えず、且つデータ内容の書き換えが可能なものもあります。

I/Oポート

I/OとはInput(入力)/ Output(出力)を指し、入力装置および出力装置を司ります。例えばボタンやスイッチ、センサーなど信号を入力するのが入力(I)ポート、LEDや電熱装置などに信号を送るのが出力(O)ポートです。ポートとは入出力端子のことを指します。

マイコンの動作を簡単に言うと、入力ポートから入力された信号をもとにCPUで計算を行い、出力ポートにその結果を信号として出力する、という流れになります。

マイコンの特徴

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小型

マイコンは非常に小さなコンピュータで、小さいものであれば切手サイズの超小型のマイコンボードも存在します。以前はサイズが大きかったカメラや電話機が今では小型化されていったのは、マイコンの進化によるものと言えます。

例えば腕時計型のウェアラブル端末や超小型カメラなど、小さい電子機器がありますが、その中にもマイコンが組み込まれています。つまり小型電子機器は、マイコンが小型であるからこそ、その大きさを実現できているのです。

安価

例えばパソコンであれば数万円〜数十万円しますが、高機能のシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」でも数千円あれば購入できます。Raspberry Piは専用のLinux OSが組み込まれパソコンと同じ動作を行うことができるため、安価で高機能なコンピュータを手に入れることも可能です。

高速

マイコンはパソコンほどCPUの能力が高くありませんが、それでも単純な計算は高速で処理できます。各装置を制御し1つの処理を行うのであれば十分な処理スピードを持っています。

種類が豊富

マイコンには多くの種類があり、種類によって搭載されているCPUの性能やメモリ容量、利用できる拡張ポートが異なります。また、シンプルな構成のワンボードマイコンから、複雑な装置が組み込まれているシングルボードコンピュータなどがあり、それぞれ実行できるプログラムも変わります。

用途によっては、それほどCPUやメモリを使用しないコンピュータでよい場合もあります。種類の違いを理解し、適切なマイコンを選ぶことも必要です。

プログラムを書き換えられる

マイコンはプログラムを書き換えられるため、異なる動作を実行することができます。例えばシングルボードコンピュータではOSが搭載されているため、プログラムを入れ替えれば音楽を再生するMP3プレーヤーやメールを送受信するメールサーバーなど、異なる動作を実行することが可能です。

様々な用途で利用可能

マイコンはプログラムを書き換えることができる以外に、ハードウェア(周辺機器)を取り付けることにより、様々な用途で利用できます。例えば通信機能を取り付ければモバイルルーターとして使えたり、センサーを取り付ければリモコンやロボットを作ったりすることもできます。

マイコンはハードウェア、プログラム両面から自由にカスタマイズできるため、自由度が高くいろんな用途に活用できます。

マイコンでできること

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マイコンは小さなコンピュータです。書き込まれたプログラムに従って、スイッチや各種センサーなどの入力装置を制御し値を取得、処理した結果を、出力装置に出力します。ここでは、マイコンが持っている機能について解説します。

マイコンの機能

ここではマイコンが持つ機能によって、できることをいくつかご紹介します。

・表示機能

出力装置にディスプレイを用いることで文字を表示することができます。時刻やタイマー時計の表示、LEDの点灯や点滅で機器の状況を表示することも可能です。

・音声の入力・出力

洗濯機の動作や電子レンジの調理が完了した時、体温計の計測が終わったことを知らせるため、音や音楽を出すことができます。昨今では、スマート家電のように声で入力し、音声を出力するものもあります。

・通信

リモコンで使われる赤外線通信や、USBインタフェースでパソコンに接続できる通信機能を備えているものもあります。カーナビには無線でインターネットと接続し情報を更新する機能も備えています。

マイコンの応用

マイコンに備わっている機能を応用することで、多くの機器制御が可能です。例えばタイマー機能ではエアコンの電源ON/OFFタイマー、カメラのシャッタータイマー、洗濯機のタイマー予約などに使われています。

他、マイコンと出力装置をつなぐことで装置の制御が可能です。エアコンのコンプレッサ制御や冷蔵庫の温度調節、自動車や洗濯機のモーター制御などが挙げられます。

このように、各機器の制御ができることにより、多くの家電製品だけでなく自動車や自転車、日用品まで、電気で動くものには必ずと言っていいほどマイコンは組み込まれており、各種装置の制御を行っています。

ゼロからのマイコン体験におすすめのプログラミング教材「SPACEBLOCK」

STEAM教育に対応したプログラミング教材「SPACEBLOCK」では、マイコンボードでできることを簡単に体験することが可能です。

SPACEBLOCK通常パッケージはSPACEBLOCK専用のマイコンボードと、USBケーブルなどがセットになっていますので、届いたその日から実際にプログラミングを始められます。

LEDマトリックスパネルや明るさセンサモジュールなど、マイコンボードでのプログラムを更に楽しむための拡張パーツも多数用意していますので、お子様のプログラム学習・マイコンボード体験にぜひお役立てください。

マイコンでできることを理解しよう

マイコンは小さいコンピュータですが、高速に処理できるだけでなく、あらゆる装置の制御が可能であるため、多くの電化製品に組み込まれています。私たちの生活にはなくてはならないものと考えてよいでしょう。

マイコンは安価で手に入れることができ、電子工作してコンピュータの動作を確認することもできます。プログラミング環境が整えば、自由にプログラムを書き換えて動作させてみましょう。マイコンに興味がある方は、実際に手に取って動かしてみてはいかがでしょうか。

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