2022年04月08日 12時00分

STEAM教育とは? STEM教育との違い、事例や課題を詳しく解説

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「STEAM教育」とは何か、ご存じでしょうか。科学技術が急速に発展している昨今、それらをうまく使いこなせる人材を育成する教育手法として、国内外で注目されています。

本記事では、STEAM教育とは何か、事例とその課題も含めて詳しく解説します。



STEAM教育とは

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STEM教育とSTEAM教育

STEAMは「スティーム」と読み、次の5つの言葉の頭文字を組み合わせたものです。

・科学(Science)

・技術(Technology)

・工学(Engineering)

・芸術・教養(Art)

・数学(Mathematics )

STEAM教育は、前身としてSTEM教育があり、それにArtの要素を加えたものです。科学技術分野に特化した人材育成を目的としたSTEM教育に、さらに美術、音楽、文学といった要素を取り入れ、横断的に推進する教育です。

STEM教育およびSTEAM教育は、アメリカのオバマ元大統領が演説でプログラミングの重要性を訴えたことから、注目されるようになりました。

参考:President Obama asks America to learn computer science(YouTube)

STEAM教育が求められる背景

STEAM教育が求められる背景には、AIやIoTなど科学技術の急速な発展に伴う社会の変化が挙げられます。また、スマホやタブレットなどの端末の利用が当たり前となり、これらの情報技術を上手に活用することが重要となっています。

このような背景から、今までの教育で行われてきた各教科の学びを基盤としつつ、実社会の問題発見・解決に活かすための横断的な教育が求められています。

STEAM教育の目的は、科学技術に特化したSTEM教育にArtの要素を加え、複雑に関係する社会で活きるために必要な資質・能力を育成することを目的としています。

STEAM教育の取り組み

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国内のSTEAM教育事例

文部科学省では、「STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進」に取り組んでおり、国内でもいくつか事例があります。兵庫県教育委員会ではSTEAM教育の5つの分野に加え英語を駆使しながら、課題解決型の探究活動を展開しています。

兵庫県加古川東高校では、特別講座としてドローンや3Dプリンタを用いた特別講座を行っています。その結果、生徒・教員から高い評価を得るだけでなく、計画性、独創性、課題発見において顕著に伸びが見られたとの成果が発表されています。

出典:兵庫型STEAM教育 兵庫県立加古川東高校での取組

海外のSTEAM教育の事例

続いては、海外のSTEAM教育事例を見ていきましょう。中国では、スタートアップ企業のMakeblock社がプログラミングを学べるロボットキット「mBot」「Codey Rocky」を展開しています。ロボットを簡単に組み立て、さらにゲーム感覚でプログラミングを学べることができ、高い評価を得ています。

アメリカでは、STEAM教育を実践する学校「High Tech High」にて、独自の課題解決型学習が行われています。High Tech Highは教科書や成績表を用いず、子供たちが自分でテーマを決め、課題解決に向けてプロジェクトを進めていくことで学習します。テーマは文学や歴史、アートなどを扱い、リーダーシップやプレゼン力など幅広いスキルを習得します。

参考:Makeblock

参考:High Tech High

STEAM教育の課題

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指導者の不足

STEAM教育の一部にプログラミング教育があります。2020年度から小学校、2021年度に中学校、2022年度から高校とプログラミング教育の必修化が進みますが、指導者が不足していることが課題となっています。

特に高校では、情報免許状保有教員が不足しています。文部科学省の資料(※1)によると、情報担当教員5,072人のうち、1,233人は情報免許状を保有していない状況とされています。そのため、計画的な採用活動や、複数校の兼務などの取り組みが行われています。

※1 出典:文部科学省「高等学校情報科担当教員に関する現状について」

教育環境が整っていない

STEAM教育の分野にある科学技術について学ぶには、ICT環境が整備されていなければなりません。しかし、地域によっては生徒一人ひとりにまでパソコン・タブレットやネットワーク環境が十分に整っていないところもあります。

とはいえ、学校だけがSTEAM教育を行える場所ではありません。STEAM教育に対応したプログラミング教材があり、この教材を利用すれば家庭でもSTEAM教育が可能です。最後に、STEAM教育に対応したプログラミング教材をご紹介します。

STEAM教育に対応したプログラミング教材

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STEAM教育に対応したプログラミング教材は数多くありますが、ここでは、「SPACEBLOCK」をご紹介します。

「SPACEBLOCK」は、手の平サイズの小さなマイコンボードです。このマイコンボードに色々なモジュールを接続し、文字や画像を表示することが可能です。

SPACEBLOCKでは子供でも簡単にプログラミングができるようになっており、実際にプログラムを作成してモジュールを自由に動かすことができます。例えば、文字や画像を電光表示させたり、人が通ったら反応する装置を作成したりできます。

このように、SPACEBLOCKは自由な発想でプログラミングを学ぶことができ、コンピュータを自由に活用する能力を育みます。

将来を見据え、STEAM教育を取り入れよう

急速な科学技術の発展による社会の変化は今後も予想されており、未来を見据えてSTEAM教育が注目されています。昨今の社会の変化を考えれば、今後も激しく変化することは確実といえるでしょう。

だからこそ、未来を見据えたSTEAM教育が重要なのです。STEAM教育は教材を用いることでたった今からでも実施できます。社会の変化に柔軟に対応できるようになるためにも、STEAM教育を取り入れましょう。

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