2023年02月09日 13時00分

新しきを用い、古きものを活性化する / 日本の農業とコンピュータ技術進化

人間の食生活は生命をいただくことで成り立っています。食肉や魚はもちろんのこと、植物・穀類も生命を経た姿。主食であるお米や、野菜を生産する日本の農業は従事者の減少が著しく、労働力不足が深刻な問題です。日進月歩の進化をみせるコンピュータ先端技術を、農業分野で役立てるスマート農業・ICT農業への注目は高まり、食生活の安全と、安定した食料供給環境向上への期待が高まっています。新しい技術を用いて、古くから伝わる生活文化を活性化する視点は、古きを訪ね新しきを知る「温故知新」と重なるものではないでしょうか。



温故知新のもう一歩先は

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新しい技術を用い、古くより伝わるものを活性化する

温故知新。故(ふる)きを温ね(たずね)、新しきを知る。

古いことを考察し、新しいことに役立てる意味として広く知られています。新しいことに取り組む上で先のことだけを考えるのではなく、過去を振り返り、研究し、その考察を重視する勧めと言えます。少し見方を変えて、逆の視点はいかがでしょうか。新しい技術を用いて、古き良き生活文化へ役立てることと、重なるように思うのです。新しいことと、古いことを相反するものとせず、それぞれが作用し、互いに役立つメリットはとても大きなものになるのではないでしょうか。

コンピュータの最先端技術を、古き良き生活文化に

私たちの生活はコンピュータの技術進化と普及により急速に便利になりました。就業の形が多様化する反面、昔ながらの農業従事などには人材が集まらない現実もあります。重労働が軽減されるようなロボットやドローンの導入、ネットを通じた情報発信、作物の安全性・品質向上に向けた技術開発が注目を集めています。事業の安定により待遇がよくなり、先駆者の一員として ”やりがい” の面でも、若い人の魅力的な就業先に農業事業が挙がるべく取り組みがなされています。

「農業」×「コンピュータ先端技術」のスマート農業

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実装に向けて動き始めている「スマート農業」 ※1

コンピュータ技術進化を農業に取り入れ、担い手の減少・高齢化の進行などの問題解決に取り組む「スマート農業」。ロボットやドローンといった新しい技術を導入し、作業人数の少人化・作業時間の短縮化を目指しています。スマートアグリとも呼ばれ、生産力向上のみならず品質向上への取り組み、リアルタイムで作物の状態が視覚化される利点、消費者と生産者が直接情報交換できるメリットなども挙げられます。

導入初期に避けられない、コストと新しい作業負担

農業事業に最新機械やコンピュータ導入する上で避けられないのが初期投資です。公的な補助、地方銀行の取り組み、また多数の企業が参画することで、あらゆる分野の人々が手を取り合い、新しい農業事業の実現に向かっています。これまで事業主の経験と勘が拠りどころとされた領域に、正しいデータによる洞察と予測が用いられることは投資端末入力など慣れない作業へのサポート体制にも前向きに取り組む地域も多く、食料自給率の向上と持続可能な社会実現への指針も見逃せません。

既に実社会で実装されている農業の中のコンピュータ

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私たちは命を頂いて食している

昨日の食事は全て命のあるものだったと言ってよいでしょう。

私たち人間が食するものの中で生命のないものは塩と水だけという話しがあります。

多くの作物は1年に一度収穫され、流通を経て食卓に並びます。古来、人の力のみによる栽培から始まり、木や石の道具、動物の使用を経ます。木製で力仕事に適した道具が使われ、鉄やプラスチックの機械、電機で動く機械と発展してきました。最新機械やロボットほど高額な資金がかからないコンピュータを使用した試みは急速に広がっています。SNSやインターネットを通じて消費者とつながる試みは多くの生産者が使用し、一定の成果を上げていると言えるのではないでしょうか。

末端消費者を知る計り知れないメリット

人力から機械化への変遷を経て、コンピュータ機器も導入されている現代の農業事情。端末を使い作物の情報を発信することで消費者とつながりを持つメリットは絶大です。作物の安全性や美味しさ・特長について、生産者自らの発信は消費者にとっても格別の喜びとなることでしょう。けっして夢物語ではなく、一般の農家が栽培後に行先の決まった作物を育てる農業事業は既に始まっていることも知られています。

株式会社AVADの取り組み

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コンピュータを駆使して、ものづくりやプログラミング教育に貢献

「ものづくり」を支援できるコンピュータ最先端技術。新しい技術を用いて、古き良き もの作りの文化を活性化する。コンピュータ社会に求められている大事な視点ではないでしょうか。全ての人が農作物の恩恵を受けています。株式会社AVAD 代表:谷山詩温氏はIoTを駆使した無農薬いちご栽培の事業展開などソフトウェア開発に尽力してきました。「教育と農業には通じるものがある」とし、地に足を着けた丁寧な土壌作りや十分な成長期間が必要なこと挙げています。教育を通じた持続的なプログラミング思考の育みが20年後、30年後の子供たちの財産になると捉えています。

子供向けプログラミング教材で得る概念の理解と動機付け

他の先進国と比べてICT教育が遅れ気味と言われている日本の教育事情。

2020年度より小学校からのプログラミング教育必修化が始まりました。

国語・算数・理科・社会・英語という独立した単元を横断して、物事の仕組みと因果関係を考察できる力を育む狙いがあります。これまでIT分野は専門的な知識を持つ者が中心でしたが、端末の普及と、子供でも簡単に操作できるツールが広まったことで、早い時期から遊びの延長としてコンピュータと触れられるようになりました。

ひとつのブロックがミライを拓く プログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)

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新しい技術の採り入れは、近代的な方向へと大きく思考が傾くものです。道具の進化によって、旧態がないがしろにされることなどなく、古き良き文化への再理解が進むことも新しい技術導入による理想的な進化だと言えます。

手軽で本格的なIoT開発ができるプログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)はクレジットカード半分ほどの大きさに集積されたマイコンボードを中心とし、小型でも高性能な子供向けプログラミング教材です。小学生でも遊び感覚で始められ、自分の発想や想像力を自由に表現できます。光や音などの動的な体験は子供の好奇心を刺激し、自らコンピュータを操作した充足感は、更なる上達につながるはず。STEAM教育との親和性が高いのも特長で、既に小学校のパソコン倶楽部活動で採用している学校もあります。

子供たちのプログラミング的考え方の向上に合わせて、昔から伝わる文化や、自然の振る舞いの中に隠れていた因果関係にも触れ、より実践的で価値のあるコンピュータスキルが育まれていくことが望まれています。

(※1)

スマート農業とは「ロボット、AI、IoTなど先端技術を活用する農業」

農林水産省 大臣官房 政策課 技術制作室

https://www.soumu.go.jp/main_content/000775128.pdf

(※2)

「EdTech導入補助金2022」は学校等教育機関および学校等設置者と教育産業の協力により教育イノベーションの普及を後押しする事業です。

・EdTech導入補助金2022

https://www.edt-hojo.jp/

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