2023年02月24日 13時00分

豆電球を点灯させた小学校の授業とプログラミング教育

小学校3年生の授業で、多くの人は豆電球を点灯させた経験があることでしょう。

一見遊びのようで、普段の授業とは違い、そこに楽しさを感じたものでした。自分の操作により、豆電球に明かりが点く喜び。覚えが早く器用に楽しむ子もいれば、考え込んでしまい手の動かない子供もいたものです。豆電球と伝導ソケット、乾電池に加え、電気を通す素材・電気を通さない素材を用いた懐かしい実験授業からはプログラミング教育の視点が古くから用いられていたいことを表しているようです。



「豆電球を点けたい」という思いが学びの糸口になる

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豆電球が灯る不思議と満足感

乾電池から電線をつなげ豆電球を点灯させたとき、嬉しい気持ちに包まれたものです。当時の乾電池は近代的な道具として認識していたように思い出されます。

コンセントから電源を取るのではなく、独立した乾電池からエネルギーが生まれたシチュエーションも刺激的だったのでしょう。スマホで、発信されたリアルタイムの動画と音声が流れ、Wi-fiのスピード感と大容量を日常的に簡単に享受する現代でも、乾電池と豆電球に強い興味を持つ子供は多いものだと思います。

「豆電球を点けたい」という思いが叶う

豆電球を点灯させるためには、条件が揃うことが必要です。身近にあったからと、糸やヒモを使っても点きません。電気を通すものと通さないものがあることは実体験から学ぶことで記憶に定着するのではないでしょうか。もし、実体験の時間を省いて無くし、暗記させようとしていたら、導線と伝導を理解できない大人が多くいたよう想像されます。いつのまにか身に付けた知識の中には実体験により定着したものが数多くあるものです。子供自身で導線の先を触れさせたり、スイッチを入れる操作により、豆電球が点いたり消えたりする光景の先に、物事は因果関係により成り立っているという学びを得ることにつながります。

豆電球を通して、必要条件と準備・因果関係が身に付く

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正しい手順で進め、目的通りの結果を得る

授業として、あちこちで豆電球が点けば、それで終了とはいきません。暗いから明るくしたいのが目的ではなく、どうして豆電球が点いたのか、子供の好奇心が向いている間に、必要条件と準備・因果関係の大切さを身に付けることも大きな目的です。木や紙は電気を通さない、鉄などの金属は電気を通す。硬くて光るものは電気を通しそうだと予想しても、ガラスやプラスチックは電気を通さずに、不思議に思う子供もいるでしょう。点灯しないだろうと予測した素材を使い、点灯しないことを確認する工程すらも意味のある作業だということができます。

自分自身の取り組みとして自由度の高い時間

電気を通さない素材はありますが、木や紙、ゴムやプラスチック素材の特性を生かし、通電素材を掛け合わせるなど新しい電気を通わせる素材も生み出されています。「素材が何か」という設問の先、電気を通すための方法はあるか、への解と言えるでしょうか。子供の中でも、ユニークに、紙や木に導線を隠し通電させるような発想が出る子もいます。その着目やチャレンジ精神は、新しい視点を見つけるなど解決策を講じることに長けた人材へと成長していく一面が見える機会なのかもしれません。

発想や思い付き・好奇心が成長のタネとなる

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小学校から新しく必修化されているプログラミング教育との重なり

通常授業に比べると実験授業は、子供自身の充足感が高いものです。一人の教師が黒板を用い、30名もの生徒に講ずる授業とは異なる時間が流れます。自由度が高く、子供自身が操作をして、取り組み、その結果が出ることへの期待と不安も子供の成長に欠かすことのできない貴重な体験となります。一つの動作は次の動きに起因して、物ごとには道理や繋がりがあることを学んでいきます。新しく小学校から導入されているプログラミング教育の狙いと重なりがあることにも注目したいものです。

単元の成績向上だけでなく、他教科へも波及するプログラミング的思考

豆電球を点灯させることで理科の知識が育まれます。点灯させるための つなぎ方があること。電気を通す素材と、通さない素材の知識。乾電池のエネルギーの大きさにより明るさに変化が出ることでは算数的な思考力も必要になります。身の回りの素材で試すときに国語の教科書ではまだ習っていない言葉や漢字が出てくるものです。

光が点灯したら、それが蛍のお尻の位置であれば楽しそうとか、車のライトだとカッコよいなど、自由な想像力も育まれます。子供自身が興味を持って、自ら物ものごとを進める場面は多いに越したことはないものです。一つの取り組みが他の教科の能力向上へも波及する機会が実験授業の中にはたくさんあるものです。

2025年大学入学共通テストに導入される「情報」

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2025年度 大学入試でプログラミングの内容を含む「情報」が追加教科に

2025年度の大学入試よりプログラミングが必修科目になるという表現は適切ではないようです。教科としては「情報」が追加されます。プログラミングの内容を含むので子供の早い時期からプログラミングに触れるメリットは大きなものとなるでしょう。プログラミング教育必修化は小学校2020年度~、中学校2021年度~、高校は2022年度~と段階的に始まっています。日常生活にコンピュータが深く関わり、子供のうちからコンピュータ端末に触れる現代社会に「情報」は欠かすことの出来ない教育分野であることが見て取れます。

機会喪失を避けるための日常生活にある実体験

日常生活の中に必要不可欠なものとなったコンピュータ。マイコンの小型化と技術進化により、あらゆるものがコンピュータで制御され、端末操作で膨大な情報を取り込み、発信できるようになりました。電車の切符を買うときにタッチパネル導入直後、切符を買うことが難しかった人もいらっしゃるのではないでしょうか。液晶の金額部分に触れる動作が苦手なお年寄りは多く、駅で困惑される姿を見かけます。今の子供たちは、液晶タッチパネルが身近にあり、キーボードより先に触れる機会があるため自然に操作できそうですね。液晶の金額部分に触れると、感熱反応によりシステムが作動する仕組みを子供時分に実体験していると他のシーンにも応用できるものです。

子供の好奇心を刺激する プログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)

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プログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)はEdTechツールとして経済産業省に認定され、全国の教育機関等へ波及し始めています。(※)

専用マイコンボードと独自に開発したプログラミング言語(ビジュアルプログラミング)を用い小学校低学年でも簡単にプログラミングを学べる点が高く評価されています。

難しいプログラミングコードを色付きのブロックに内包し、直感的に楽しくブロックを積み重ねていくことで、電飾の点灯や点滅の指示をすることができます。

特定教科を学ぶ授業時間とは異なる心持ちで、自らの操作・指示によりカラフルな電飾を点灯させる、動かす、という好奇心を刺激する学びの時間。遊びの延長のような、実験授業での実体験から理解した、記憶に深く定着する学びへ繋がるはず。

従来の文系・理系のような枠組みを越え、実生活での課題発見と解決方法を学ぶプログラミング的思考の育みを目指し、「主体性」と「楽しむ心」を引き出す子供向け教育ツールです。

(※)

「EdTech導入補助金2022」は学校等教育機関および学校等設置者と教育産業の協力により教育イノベーションの普及を後押しする事業です。

・EdTech導入補助金2022

https://www.edt-hojo.jp/

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