Chat GPTから考えるデジタル化社会と非認知能力
Chat GPT(チャットジーピーティー)が日本でも注目を集めています。ウィンドウズ95とMACの登場によりコンピュータが身近になったこと、インターネットの普及によるデジタル環境の進化を大きな2つの転換期に挙げ、Chat GPTは同等のインパクトのある技術進化だとする声も聞こえます。人工知能が日常生活の中に更に入り込むことで、デジタル化社会への傾倒は加速していくでしょう。実は、この技術進化は学び直しやリカレント教育の点でも役立ち、非認知能力への注目度も高めています。
- 取り残される人を救うコンピュータ技術の進化
- Chat GPT(チャットジーピーティー)とは?
- プログラミング的思考が分かれば難しくないChat GPT
- 非認知能力を見直すヒントに溢れたデジタル化社会
- 若年層のデジタル活動活性化を目指す様々な取り組み
- プログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)
取り残される人を救うコンピュータの技術進化
コンピュータに詳しくない人こそ、新しい技術に触れるメリットが大きい
社会のデジタル化が進むことで、コンピュータに順応した人たちへのメリットに目が行きがちです。実は、このデジタル社会化への加速はコンピュータに詳しくない人が、学び直しやリカレント教育の面でも大きなメリットを得られると考えられています。まず、子供や初心者でも簡単に操作できる使いやすさの向上が一番に挙げられるでしょう。数十年前にExcelなどのアプリケーションを使いこなせない苦手意識から機会喪失の経験がある人でも、操作性に優れたアプリの登場が代替えになっているものです。
生活・雇用・教育・立地・経済的な格差の是正を目指すデジタル化社会
当たり前のようにインターネットで繋がる情報網も大きな役割を果たしています。必要な情報を簡単に入手でき、サービスやショッピングで一般的に利用されるようになりました。移動にかかる時間と費用の削減は、どれほど大きなものでしょうか。コミュニケーションの手段もコンピュータ技術の進化で多様化した代表例として挙げられます。電話は個人が携帯するものとして定着し、またメールやSNSの利用は音声から文字情報へ、そして画像や動画によるコミュニケーションへと大量の情報がリアルタイムのスピード感で行き来しています。
Chat GPT(チャットジーピーティー)とは?
滑らかな言語処理で、人間と対話しているような風合いのやり取り
【chat(チャット)】とは本来"おしゃべり"を意味する言葉。インターネットの世界では"おしゃべり"をするようなリアルタイムでの反応を指します。
【G】のGenerative(ジェネレイティブ)は生み出す・生成する。【P】Pre-trained(プレ-トレインド)は事前に訓練された。【T】はTransformer(トランスフォーマー)。変成器を意味し、自然言語処理を指します。
「事前に訓練された」「自然な言語処理」を「生成する」「人工知能によるチャット」となり、従来のコンピュータ処理よりも進んだやり取りが出来ると注目されています。
Chat GPTが画期的であると注目される理由(わけ)
AI(人工知能)が自然な言語(日本語)で対話解答する新しいサービスChatGPT。注目されている点にコンピュータとは思えない滑らかな言語処理能力が挙げられます。双方向コミュニケーションとして実装されており、初見で驚かれる方も多いのではないでしょうか。先んじた音声AIに比べ、人間との対話に近い滑らかな言語処理がストレスのないリピート利用につながっていくと予想されています。インターネット利用目的の一つ"検索"では、既存の大手サービスに取って代わるとの予想もあります。
プログラミング的思考が分かれば難しくないChat GPT
従来の検索行動と異なる使用感
大手検索サイトや、インターネット上のフリー百科事典を常用している私達にとって、滑らかな言語による返答や解答は新鮮に映ります。従来はネット上にテキスト化された情報を探し当てる作業であった検索。人工知能では、質問の意に沿って取捨選択され、抽出した情報が口語口調で返ってきます。調べたいことに関する語句や単語を無造作に入力するだけで、適切と言ってよいレベルの返答が得られます。処理能力の向上により、膨大なデータから適切に抽出する人工知能の能力に驚くばかりです。
小説や論文など、形式や文字数を指示したライティングも可能
オリジナルの小説が創作できることにも興味を示されています。自分の名前を主人公に、背景と物語の明暗等を指示してライティングするエンターテイメントの面も魅力的だと評価されています。数十秒から数分という、速いスピード感は様々な作業の時間短縮に貢献してくれそうです。もっとも、その創作物を仕上げるための適切な指示がされていることが前提であり、間違いや違和感を見抜いて推敲する作業にこそ、使用者のスキルが問われることになりますが。最新のコンピュータ技術も使用しているのは人間であることを自問され、ITリテラシーのスキル向上にも貢献することでしょう。
非認知能力を見直すヒントに溢れたデジタル化社会
最新技術は驚くほど使いやすく、いつからでも始められる
デジタル社会・世の中のデジタル化というと、乗り遅れた人にとっては、どんどん差が開くように思いがちです。実状は最先端の技術ほど、初心者には使いやすいという利点を知っておくべきでしょう。Excelは苦手だけどChat GPTは楽しく使える、Officeが使えないが新しいアプリはスマホやタブレット端末でストレスなく操作できるという人も少なくありません。コンピュータを操作する上では、仕組みを理解する能力や創造力、忍耐力、問題解決能力といった非認知能力の領域が不可欠であり、そのスキル向上に繋がるメリットも大きなものです。
コンピュータ操作の簡単化で見直される非認知能力
認知能力とはテストの点や偏差値など数字で表せる能力。一方、非認知能力は数値では表せない能力として注目されています。子供でも使える、初心者でも使えると言われる現代のコンピュータ。それでも、思うような作業ができないこと、エラーが出る場面にも遭うものです。冷静な対応、操作手順を遡ることや、問題解決のための発想が必要です。学力の高低とは異なる忍耐力や、情報を収集し正誤を判断する力、継続して取り組む姿勢や優先順位を正しくつける管理能力も関わってきます。コンピュータ操作に必要なだけではなく、社会生活を送る上でも必要なスキルでもあり、非認知能力の高低を知ること、非認知能力を伸ばす姿勢は大事なことだと言えるでしょう。
若年層のデジタル活動活性化を目指す様々な取り組み
経産省等が運営するデジタル人材育成ポータルサイト「マナビDX」※1
経済産業省と独立行政法人情報処理機構(IPA)が運営する「マナビDX」。デジタル技術を活用し、効果的・効率的な「学び」を目的とした取り組みです。若年層のデジタル化社会順応に重要な役割を果たすと期待され、プログラミングスキル、情報リテラシー、デジタルセキュリティなど様々なスキルと知識の習得を目的としています。生まれた時からデジタル環境に囲まれて慣れ親しんだ世代の、情報の過剰な受け入れや、SNSでの誹謗中傷に関わる問題など新しく散見される課題解決にも注視しています。株式会社AVADはマナビDXにSPACEBLOCK(スペースブロック)を使った講座を掲載しています(無料で体験できる講座です※2)。
中高生等のデジタル活動支援プラットフォーム デジ連 ※3
高校生・中学生等のデジタル教育情報を発信する「デジ連」(一般社団法人 デジタル人材共創連盟)。デジタルに興味・関心を持つ学生が増加し、デジタル関連活動に参加する学生の裾野が全国的に広がることが予想されます。また、それを受け高校生・中学生等の教員等に向けて、教育の様々な現場で使える情報を発信しています。デジタル技術の進化に対応するための人材育成やマッチングの推進を通じ社会発展への貢献を目指しています。株式会社AVADは「デジ連」正会員です。
マナビDXにて無料体験できるプログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)
プログラミング教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)はEdTeckツールとして経済産業省に認定され、全国の教育機関等へ波及し始めています。(※4)
日本発のプログラミング教材で、ブロックを組み合わせるビジュアル表現が、とてもリアルだと定評があります。専用マイコンボードと独自に開発したプログラミング言語(ビジュアルプログラミング)を用いて小学校低学年生でも簡単にプログラミングを学べる点が評価されています。
子供用教材として開発されましたが拡張性が高いことで大人の使用者も多くいます。自分でカラフルなLEDの光り方をプログラミング制御し、実際に動かせる喜びが次の新しい操作を思い描くモチベーションになります。ストレスが少なく、早く上達できる、操作の簡単なプログラミング教材です。
(※1)
マナビDX DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する講座を案内するサービス
(※2)
マナビDX AVAD掲載講座
https://manabi-dx.ipa.go.jp/courses/00099-000001
(※3)
デジ連 中高生等のデジタル活動支援プラットフォーム
(※4)
「EdTech導入補助金2022」は学校等教育機関および学校等設置者と教育産業の協力により教育イノベーションの普及を後押しする事業です。