2022年02月14日 12時00分

プログラミングでできることとは? 仕事内容や勉強方法も解説

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2021年からプログラミング教育は必修化され、小学生からすでにプログラミングに興味をもつ人も多いでしょう。プログラミングができると、どんな職業について、どのような仕事ができるのでしょうか。本記事では、プログラミングを学ぶことでできる仕事について詳しく解説します。



プログラミングに関連する職種

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プログラミング技術を習得することで、できる仕事はたくさんあります。最初に紹介するのは、主にプログラミングによってプログラムを作成する「開発系エンジニア」といわれる職種です。

プログラマー

プログラマーは、プログラミング言語によってコンピュータを動かすプログラムを作成する人です。子供向けのプログラミング教育ではブロックなどビジュアル的に処理を並べてプログラミングしますが、一般的なプログラマーはテキスト(文字)で開発します。

銀行のATMや自動販売機、ゲームや自動車など、コンピュータは全てプログラムによって動作しています。プログラマーは、コンピュータが意図したとおりに動作するようにプログラミングを行い、正しく動くかテストを行います。ここで必要なのがプログラミング的思考です。

システムエンジニア

システムエンジニアは、プログラマーが正しくプログラムを作成するために、事前に顧客からの要件に基づき設計する人です。プログラマーが主にシステムを開発する中での下流工程である開発・テストを行うのに対し、システムエンジニアは上流工程の設計を主に担当します。

設計でミスがあると、そのミスに気づくのが遅くなればなるほどシステム開発に大きな影響が出てしまいます。そのため、プログラマーに対して分かりやすく伝え、また顧客の要件をきちんとヒアリングし落としこむためのスキルが求められます。

Webプログラマー

Webプログラマーとは、インターネットで公開されているWebサイトを作成する専門のプログラマーです。主にボタンやフォーム、イメージなど目に見える部分を開発する人をフロントエンドエンジニアといい、検索ボタンや登録ボタンを押したときに情報を登録するといった目に見えない処理を開発する人をバックエンドエンジニアといいます。

たとえば、今では多くの人が利用しているショッピングサイトや、会員登録を行うサイトは、画面を作るだけでなくいろいろな処理が組み込まれています。このように、パソコンにインストールするソフトウェアではなく、ブラウザを介してインターネット経由で利用できるサイトを作成します。

AIエンジニア

AIエンジニアは、AI(人工知能)のプログラムを開発する人と、蓄積された膨大なデータから関係や法則性を導き出すデータ解析を行う人に分かれます。どちらも今大変注目されている分野です。

スマート家電に搭載されている音声認識や医療ロボットなどを動かすためのプログラムを開発します。AIエンジニアはプログラミング技術だけでなく、AIに関する専門的な知識が求められるため、非常に貴重な人材です。

組み込みエンジニア

冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などの家電製品にも、コンピュータは組み込まれています。今ではボタンを押すだけで温度を調節したりタイマーを設定したりすることができます。

このように、家電製品に組み込まれているプログラムを開発するのが組み込みエンジニアです。組み込みエンジニアはプログラミング技術以外に、熱や電気を制御するための知識や、パソコンとは異なる組み込み機器に適応するための、非常に小さい容量、処理能力でシンプルな動作を作り込むスキルが求められます。

ITインフラに関する職種

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プログラムを作ればそれだけで情報システムを動かせるわけではありません。情報システムを構築するためには、さらに多くの専門家の協力が必要です。ここでは、プログラムを動作するための基盤であるITインフラの構築に携わる職種を紹介します。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、プログラムが動作するためのサーバーやネットワークなど、ITインフラ全般の設計・構築・運用を手掛けるエンジニアのことです。

たとえば、インターネットに公開されるWebサイトは、Webサーバーに配置し、Webサーバーをインターネットと接続することで見られるようになります。このとき、Webサイトを作成するのはWebエンジニアであり、Webサーバーを構築し、インターネットに接続する作業をするのがインフラエンジニアの仕事です。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、ITインフラの中でもネットワークに特化したエンジニアです。ネットワークを構築するにしても社内向け、社外向けや有線・無線など目的や媒体によって多岐に渡ります。そのため、大規模システムで複雑なネットワークを構築する場合は、ネットワークエンジニアが必要です。

ネットワークに障害が発生すると通信ができなくなり大きな損失につながるため、ネットワークの監視やメンテナンスはとても重要です。また、DDoS攻撃など外部からの脅威からシステムを防ぐために、セキュリティに関するスキルも求められます。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、ITインフラの中でもデータベースに特化したエンジニアです。たとえばレンタルショップで登録する会員情報やショッピングサイトの商品情報、売上情報などのデータは、データベースに登録して一元管理するのが一般的です。

データベースエンジニアは、データベースシステムの設計・構築・運用を行うのが主な仕事です。データベースに障害が発生すると情報が登録できなくなり、システムに致命的な影響を及ぼすため、データベースに関するスキルが求められます。

その他のIT職種

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IT職種は多岐にわたりますが、プログラマーからキャリアアップして上位の職種を目指すのが一般的です。ここでは、開発エンジニアの上位職種について紹介します。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業の経営課題や問題を解決するためのシステムを提案、助言するエンジニアです。ITに関する広範囲な知識はもちろんのこと、さまざまな業界に関する深い知見と問題解決能力、プレゼンテーション能力が求められます。

ITコンサルタントが具体的にプログラミングをすることはありませんが、提案したシステムが具体的に設計、開発でき、実現できるものでなければなりません。そのため、プログラマー、システムエンジニアの経験を経てプログラミングスキルと設計のスキルを身につけ、ITコンサルタントへのキャリアアップを目指します。

プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャは、開発プロジェクトの責任者であり、プロジェクト全体を管理する職種です。管理能力はもちろんのこと、コミュニケーション能力や問題解決能力など、幅広いヒューマンスキルが求められます。

プロジェクトマネージャはプロジェクトの立ち上げから計画の立案、プロジェクトの推進など、プロジェクトを円滑に進め管理していきます。決められた納期および予算内に十分な品質を満たしたシステムを構築し、企業の利益向上を目指すのが役割です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、膨大なデータを解析して有益な情報を見出し、意思決定を支援する職種です。プログラミングスキル以外にも機械学習やディープラーニングのスキルや、統計学などの知識も求められます。

今では「システムに蓄積されている大量のデータを、いかに企業経営に活かすか」が重要となっています。たとえば、ショッピングサイトでは毎月の商品ごとの売上状況を確認し、来月売れると予想されるものを事前に多く仕入れたり、関連して売れる商品を揃えておくことで売上アップにつなげたりすることができます。このように、データから有益な情報を導き出すのがデータサイエンティストの役割です。

プログラマーってどんな職業?

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プログラミングを学ぶことで、プログラマーを筆頭に、多くの仕事に役立つことがお分かりいただけたことでしょう。ここではその中でもプログラマーに焦点をあて、プログラマーとはどういう職業なのかを詳しく解説します。

プログラマーの仕事内容

プログラマーは、システムエンジニアが設計した設計書に基づき、プログラムを作成するのが主な仕事です。開発するプログラムはアプリケーションやWebサイト、組み込みプログラムなど多岐にわたり、また使用するプログラミング言語も変わってきます。

また、作成したプログラムをテストするのもプログラマーの仕事です。システムエンジニアが設計した設計書通りに動作するかを確認し、不備があれば修正します。

プログラマーは開発工程がまだ上流工程の段階ではそれほど忙しくありませんが、プログラム開発本数が多い場合は非常に忙しくなる場合もあります。

プログラマーになるために必要なスキル

プログラマーになるために必要なスキルとして「プログラミングスキル」「プログラミング的思考」「コミュニケーション能力」があげられます。

プログラミングスキルは、プログラミング言語を扱うためのスキルです。プログラミング言語によって開発できるプログラムも異なるため、複数のプログラミング言語が扱えるとよいでしょう。

プログラミング的思考は、コンピュータに適切に処理を行うためにどのような処理をどのような順序で行えばよいか考える能力のことです。同じ結果を出すプログラムでも、処理順序が不適切であれば性能が著しく悪いプログラムができてしまいます。効率のよいプログラミングをするためにも、プログラミング的思考は大切です。

さらに、作成するプログラムは顧客やシステムエンジニアと調整したり、チームを組んで開発を行ったりするなど、複数の人と協力して進める機会が多々あります。そのため、円滑に仕事を進めるためにもコミュニケーション能力も求められます。

プログラミングでできること

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プログラミングができると、どんなプログラムが作成できるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、プログラミングによって作成できるものについて解説します。

Webサイトやアプリ、ゲームの開発

プログラミングができると、コンピュータを使って動作する多くのものが作成できます。パソコンやスマートフォンで閲覧するWebサイトの他、スマートフォンアプリも開発できます。また、パソコンやゲーム機器で動作するゲームソフトも、プログラミングで作成できます。

また、アプリケーションやゲームなどのソフトウェア以外にも、実写に近いグラフィックで表現された映画やプロジェクションマッピング、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった仮想世界も、プログラミングによって作成することが可能です。

AIをつかった自動化

プログラミングを覚えることで役立つのが自動化です。特に単純な繰り返し作業は、AIをつかった自動化が行えると格段に効率が上がります。特に人の手で行っていた作業を自動化すれば、高速で作業が進むだけでなく入力ミスの削減も期待できます。

たとえば、表計算ソフトでのデータ入力は、マクロを使ってプログラミングすれば自動化することが可能です。また、決まった時間にメールを送信する場合も、プログラミングすれば人が手で実行することなく自動的にメールを送信できます。

このように、プログラミングをすることで今まで人がやっていた作業を自動化することができ、仕事の効率化に繋がります。

おすすめのプログラミング言語

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プログラマーは、プログラミング言語の修得が必須です。プログラミング言語によって作成できるプログラムが異なるため、複数のプログラミング言語を習得するとよいでしょう。ここでは、代表的なプログラミング言語を4つご紹介します。

Java

Javaはオブジェクト指向型のプログラミング言語で、Javaで作成されたプログラムはJavaVM(Java仮想マシン)が動作するコンピュータならどんなコンピュータでも動作するという特長があります。そのため、非常に汎用性が高く、高い人気を誇るプログラミング言語です。

日本でも高い人気があり、書籍や学習サイトも多くあるため、学びやすいというメリットもあります。ただし習得にはやや難易度が高い言語です。

大規模システムからWebサイト、ゲーム、組み込みシステム、Androidスマートフォンアプリまで、幅広いプログラム開発に対応しているプログラミング言語であり、おすすめです。

JavaScript

JavaScriptは「Java」とついていますが、Javaとは異なる別のプログラミング言語です。JavaScriptは、主にWebサイトに動きを加えるために開発された言語であり、ブラウザ上で動作します。

Webサイト上でボタンを押したりチェックボックスがつけられたり、郵便番号を入力してボタンを押すと自動的に住所が入力されたことはないでしょうか。このような動きはJavaScriptで実現できます。

Webサイトを作成したい、Web業界で活躍したい、Webエンジニアを目指したいという方は、JavaScriptは必須ともいえるプログラミング言語です。

PHP

JavaScriptがWebサイトの見た目や操作できる部分、すなわちフロントエンド向けのプログラミング言語であるのに対し、PHPはデータベースからデータを取得するなど、バックエンド向けのプログラミング言語です。

たとえばショッピングサイトで商品検索を行うと商品情報が表示されますが、入力した文字でデータベースに検索を行い、結果を取得する処理はPHPで作成できます。このようなWebアプリケーションを作成したい場合は、PHPがおすすめです。

PHPは構文がシンプルで扱いやすく、また情報も豊富で学びやすいためプログラミング初心者にもおすすめです。また、フレームワークが豊富なため開発生産性が高い点も特長です。

Python

Pythonは今最も人気の高いプログラミング言語の1つです。その理由はAIやディープラーニングなど、人工知能の分野で欠かせない言語であるためです。

Pythonはシンプルで学びやすいだけでなく、良いライブラリが非常に豊富という特長があります。画像認識や暗号化、機械学習や統計、遺伝的アルゴリズムなどのライブラリがすでに備わっているため、1から開発しなくてもこれらのライブラリを集めて機能を利用できます。

AIエンジニアやデータサイエンティストを目指したいという方は、必須のプログラミング言語といえるでしょう。

プログラミングスキルを持っている事のメリット3つ

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プログラミングスキルをもつと、ただプログラマーなどのIT関連の職業に就ける、というだけではありません。それ以外にもいろいろなメリットがあります。ここでは、プログラミングスキルを身につけることで得られるメリットについて紹介します。

在宅ワークがしやすい

プログラミングを行うにはパソコンが必要ですが、パソコンのほか、インターネットにオンライン接続できる環境があれば在宅ワークの環境が整います。そのため、プログラミングができると在宅ワークがしやすいともいえます。

最近ではコロナ禍ということもあり、在宅ワークが推奨されています。また、育児や介護などを抱える人にとっても、在宅ワークができることは大きなメリットでしょう。遠方からの通勤にストレスを感じている人にとっても、在宅ワークは魅力的です。

副業がしやすい

プログラミングは副業がしやすいという点も挙げられます。クラウドソーシングを活用すれば、Webサイトやプログラム作成の案件が多数あり、高収入の案件も望めます。複数のプログラミング言語を扱える人や、プログラミング経験が豊富な人は、月数万円の副業収入を得ることも可能です。

起業・独立が可能

自分で独自のアプリケーションを開発して公開したり、Webサービスを立ち上げたりすることにより収入が得られれば、転職以外に起業・独立するというのも1つの方法です。プログラミングスクールによっては、起業・独立をサポートするコースを設けているところもあります。

小学校から学べるプログラミングスキル

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2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されました。小学校で学べるプログラミング教育は、プログラミング言語を学ぶものではなく、新たに科目が追加されるものでもありません。では、小学校で学ぶプログラミング教育はどのようなスキルが身につくのでしょうか。

プログラミング的思考を身につける

小学校で学ぶプログラミング教育の狙いとして挙げられているのが「プログラミング的思考を身につける」ことです。プログラミング技術を身につけることが狙いではないことを理解しておきましょう。プログラミングは「目的の動作を行うのに、どのような処理をどういう順序で実行するか」を考えることが大変重要です。

コンピュータはプログラムの内容を順番に処理していくシンプルな動作のみを行うため、複雑な動作をさせるには、さまざまな処理を組み合わせる必要があります。小学校では、プログラミングを通して論理的に考える力を育みます。

問題解決能力を身につける

プログラミングを通して、問題解決能力を身につけられます。意図したとおりにコンピュータを動かすことは簡単ではありません。思うように動かなければどこに問題があるのか考え、課題を乗り越えながら、プログラミングしていきます。

このような試行錯誤を繰り返すことで、問題解決能力が身につきます。プログラミング教育は、プログラミング的思考を身につけるだけでなく、問題解決能力を身につけるという点でも役立ちます。

複数人で協力して取り組む

小学校の授業では、プログラミングを学びながら課題に対して周りの人と協力して取り組みます。これにより、円滑にコミュニケーションをとることも学べます。実際のプログラマーでもコミュニケーション能力が求められるため、重要なスキルです。

家庭でプログラミング教育を行う場合も、家族で一緒になって取り組むことで楽しくプログラミングを学べるだけでなく、コミュニケーションも取れます。

プログラミングを学び、将来に役立てよう

AIやIoTをはじめ、情報技術は社会インフラに深く浸透しており、なくてはならないものとなっています。そのため、プログラミングを学ぶことは今では必須といえます。

プログラミングスキルがあれば、プログラマーをはじめとした多くのIT関連の職種に携わるだけでなく、在宅ワークや起業・独立がしやすいといったメリットがあり、仕事の幅が大きく広がります。

特にプログラミングをする上で重要な「プログラミング的思考」や「問題解決能力」は子どものうちから身につけておいて損はありません。小学生向けに、無料で学べるプログラミング教材も存在します。プログラミングを学び、将来に役立てましょう。

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