STEAM教育という世界基準の新しい考え方。国語は、どこに行ったのか。
国語・算数・理科・社会。リズミカルに発したり思い浮かべたことのある方がほとんどでしょう。
近年加わった英語まで含めて誰でもなじみのある小学校で学ぶ教科ですね。
新しく小学校で必修化されている「プログラミング教育」との関わりもあり「STEAM(スティーム)教育」という言葉も耳にする機会が増えました。
国語算数理科社会英語をやめて、STEAM教育へ取って代わるというわけではありません。
一時限の単元だけが、切り取られ独立した授業時間とならないよう、子供の学びに継続性と関連性を深めようという視点がSTEAM教育の狙いのひとつにあります。
文系・理系、教科単元を横断して、子供の学びを促進していく教育概念です。
26文字アルファベットの英語圏と、漢字に重きを置く日本の国語教育
SPACEBLOCK(スペースブロック)で国語や社会教科にも新しい視点
STEAM教育の概念はむずかしいことではない
STEAM教育:
S 化学 Science(サイエンス)
T 技術 Technology(テクノロジー)
E 工学・ものづくり Engineering(エンジニアリング)
A 芸術 Art(アート)
M 数学 Mathematics(マスマティクス)
5つの単語は学問の領域を示しています。
アルファベット頭文字をつなぎ、その呼び名をつけて子供が学ぶべき学問を指します。
一語一語を暗記、記憶するよりも従来の小学校授業との差異を感覚で知って欲しいと思います。
将来に役立つ、且つ子供が大人になった時代に必要とされるであろう学問の領域へ区切り方を変えたという理解でよいでしょう。
国語・算数・理科・社会・英語のコマを消化することに並行しながら、日進月歩のコンピュータ時代に順応する人材への成長を促進する取り組みと言えます。
そこには既に生活に必要不可欠となったコンピュータの仕組みを知ること、年齢に応じた操作ができることまで意図されています。
STEAM教育:国語はどこへ行ったのか
S:化学、M:数学が、それぞれが文字通りの理科と算数を指すことは簡単に想像できますね。
化学・技術・工学・数学は、理系教科を想像させます。
2000年代後半、20年弱前よりロボットやAIといったコンピュータの技術革新が盛んになりました。
来たるコンピュータ社会に対応すべく理系人材の育成を掲げた背景が起因となっています。
生活に深く入り込んでいるコンピュータ分野を学ぶ必要性に着目したといえます。
だからといって国語・社会教科の切り捨てや、軽視する発想は全くないことを理解しておく必要があります。
化学を深めていくために専門用語を理解する力が必要とされるものです。
偉人や先人、歴史上人物の文献や記述が、数学に興味を持つきっかけになるケースも多いでしょう。
図形や空間認識、数字の大小や移り変わり、蓄積データには文学的な面白さも透けてみえるものです。
小学生が算数テストで「何を問われているのかが分からなかった」と国語の読解力不足が成績向上の妨げになる笑い話しも繰り返されています。
STEAM教育の狙いにある、理系・文系の枠を横断して学ぶ取り組みの意図が理解しやくすくなったのではないでしょうか。
26文字アルファベットの英語圏と漢字に重きを置く日本の国語教育
外国には26字程度の文字(アルファベット等)を常用する国が多くあります。
小中学生にとっての国語という教科は漢字が多くのウェートを占めるのではないでしょうか。
ひらがな、カタカナ、漢字まで全て含めて文字が26で足りるのであれば、国語の時間で他のことが学べそうです。
その反面、漢字の習得に数学的な思考や、化学的な理論が取り入れられれば学びは、より深まることでしょう。
「編」と「つくり」の関係性、漢字の成り立ちの論理的な解説には楽しいものが沢山あります。
複雑な漢字を調べるときに、画数から探す昔ながらの方法は数学的な考え方を用いた方法と言えます。
同じ画数のグループに分類することで解答へ近づけるという考え方ですね。
漢字に接することで無意識に数学的・化学的な考え方に触れているとも言い換えられるでしょう。
世界で一番、文字の数が多いと言われる日本語には暗記・記憶以外の能力を伸ばす魅力があります。
漢字を学ぶ上で必要な組み立てる能力、法則の発見に加え、文字に美しさを感じることもあるでしょう。
似た文字で、どちらの文字が適切か判断する力や、よりふさわしい言葉を導き出す発想も見逃せません。
一文字の漢字から、組み立てる力や発想力を養う、こんな視点がこれからの教育に求められています。
タブレット使用で漢字の暗記力が劣る危惧を超えて、より深い言語教育へ繋げられる可能性を感じられます。
そして、STEAM教育で掲げた各学問領域の中で国語・社会も学ぶものと意識転換をするべきでしょう。
理系・文系を横断して学ぶ必要性、そこにある価値
一時限の小学校の授業。
教科書を広げ、黒板に注目し、教本通りに進む先生の言葉をノートに書き写す。
“学ぶ”ことと、“教わる”ことの比重を考え直す必要があるのではないでしょうか。
“考える”ことと、“聞く”ことのバランスを間違うことも多いのではないでしょうか。
「考える」「学ぶ」という主体性が優先されるべきで、「教わる」「聞く」という受態は後回しになるケースが
あってもよいと思うのです。
社会の授業で使う歴史年表の数字に人一倍興味が出て、数字の並びや間隔の長短に魅力を見い出す子供など有望だと思うのです。
数学的な見地から、100年という時間での変化と、節々で起きた出来事が立体的な年表としてイメージできることでしょう。
テストの解答として暗記されるだけではなく、起こる順番や背景、移り変わりを理解するために文系と理系は
横断することこそ望ましいと言えます。
単元の中で出てくる歴史年表自体が文系と理系を横断したものだと言えるのではないでしょうか。
算数の九九も日本独特のものと言われますね。
アメリカでは語呂合わせではない丸暗記で、12×12まで覚えることが一般的だとも言われています。
7×7に、暗記以外の解答法を考えるなど楽しいものです。
5の段までは得意だが6の段以降は苦手だという大人も散見されます。
マス目を頭に浮かべ、5×7の35 を下地に 2×7の14を足す、など丸暗記より時間が掛かりますが他の場面で応用力を発揮できる機会があるかもしれませんね。
文系教科を理数的思考で解決、理数系を文学的に解く楽しみ
ネットで人気の子供の面白解答。数十年も伝わる傑作から、時代を反映した新作まで投稿が後を断ちません。
問:「まさか~ ~だろう」を使って文を作りなさい。
答:『まさかり かついだ金太郎』
問:「インドなどでカレーと合わせて食す、パンのような食品はなんですか?」
答:『はい、そうです。』
問:「 写真 をとる 」(読み仮名を書く問題)
答:『しゃめ』
問:「野菜いためを作るとき、いろどりをよくするために、どんな工夫をしますか?
答え:『写真の加工』
〇か×かを超えて、微笑ましくなる子供の解答って多いものです。
大人では出てこない発想には、テストで〇をもらえなくても誉めてあげたくなることさえあります。
100点満点の子供は凡人でつまらないなどと言いたいわけではなく、出題と合致していなくても「考える力」「記す力」が評価される機会が、もっともっと増えて欲しいと思います。
SPACEBLOCK(スペースブロック)で育む国語や社会教科の視点
コンピュータを使うことが理数系を示唆する時代は終え、言語の役割も担い、コミュニケーションの手段となりました。
小説家さんの多くはキーボードで物語を記し、歴史の考察に蓄積されたデータやネットでの情報共有は欠かせない道具といえます。
数学や化学の世界でも、論文や、得た知識の文字化により、評価が変わることがあるものです。
子供が、小さなマイコンボードに自分でプログラミングをしてカラフルな電飾を点滅させ、文字やデザインを動かすことができるSPACEBLOCK(スペースブロック)。
一見、理科や算数に役立つツールに見えますが、自由な電飾作動のプログラミングには物語を紡ぐような発想力が養われるものです。
マイコンボードを子供自身が操作することは、世の中のコンピュータにどのような目的があるのか、どのような仕組みによるものなのか、興味を示すきっかけになることでしょう。
SPACEBLOCK(スペースブロック)はEdTech導入補助金2022 EdTechツールに採択されています。(※1)
(※1)
「EdTech導入補助金2022」は学校等教育機関および学校等設置者と教育産業の協力により教育イノベーションの普及を後押しする事業です。
・EdTech導入補助金2022
・SPACEBLOCK(スペースブロック)のEdTech導入補助金2022採択について(無償利用も紹介しています)