2023年05月12日 12時30分

今こそ人工知能について考えてみよう

Chat GPTの利用者が増えたことで人工知能の便利な点と問題点が表立つようになりました。コンピュータをコンピュータとして使うことから前進して、人間の代わりのような立ち位置を取る場面が増えて来ています。欧米では人工知能の急速な広まりに注意喚起がなされ使用制限が出た地域もあります。日本はIT化の立ち遅れた現状を踏まえ、人工知能の導入に前向きなスタンスを取っているといえるでしょう。私達が人工知能を利用する上で注意するべき点は、どういうことであるのかを自問する必要があるようです。



人工知能が万能ではないことの理解

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Chat GPTを始めとする人工知能は万能ではない

コンピュータを使う場面として「検索」「調べもの」を思い浮かべる方々は多いのではないでしょうか。世界的に有名な検索サイトや、インターネット百科事典を使い、一度の検索では目的が果たせず、記事内のリンクを幾つも辿る非効率的な経験を持つ人は多いものです。ネット上に公開された膨大な情報から正確な、且つ望んだ結果を抽出するのは簡単なことではありません。Chat GPTを始めとする技術革新は利用者が入力した単語・話題に素早く返答が来る点に注目されています。返答をすることが何よりも優先されるため、その真偽は利用者が確認し判断する必要があると言えます。

「知脳」ではなく「知能」

コンピュータは考えることはなく多くの情報を有するもの、前もって組み込まれた式・手順に沿って出力をするものです。人工知能の言葉の響きから「人の脳のように考える」と錯誤してはいけません。「知脳」ではなく「知能」。膨大な知識を有する能力ある道具であり、人間が脳で思考するものとは別物です。Chat GPTの魅力の一つ、人間的な滑らかな返答は前もって返答のパターンに、膨大な量を有していることに起因します。ストレスのない利用は利点ではあるのですが、思考力や、まして性格や人柄などというものではなくエンターテイメント性に優れているとの評価が妥当なのかも知れません。皮肉なことですが、人間に近づいたことでエラーに注意する必要があります。

正しく使ってこそ価値がある人工知能

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Chat GPTの回答が早い時間的なメリットを検証に使う

真偽性など、好ましくない点があるとはいえChat GPTを始めとした人工知能を上手に活用するメリットは大きいものです。ツールとしての問題点は、利用する人間側の問題点であることにも気付きます。スムーズで滑らかな受け答えが、安易な安心感へ繋がり真偽の確認を棚上げにして事実であるかのような錯覚を招くことが懸念されます。回答まで早く辿りついた時間的な利点を、考察や確認・検証へ使うことで好ましくない使い方は避けられるでしょう。特に新しい技術ですから熟練した利用者はごく少数。使い慣れるまでに時間を要することも合わせて自問しておきたいものです。

単語ではなく仮説までを入力することで質問力を高める

Chat GPTの利点として人間が対応しているような自然な言語やり取りが挙げられます。従来の検索動作は単語を打ち込み、関連する情報のリストアップが目的でした。次世代の人口知能は自分の考えまでを入力することで、他の膨大な情報とすり合わせ、的確か否かを判断する材料とすることが好ましい利用法の一つだと言えます。コンピュータを利用するためにどのような指示・やり取りが効果的な結果をもたらすのかを経験値として蓄積していくことが、これからの時代に求められているスキルであるとも言えるでしょう。「質問する力」「質問力」の差で、得られる成果が異なる。従来の検索と、次世代の人工知能利用は、ここに大きな差異があると言えます。

人工知能の得意分野と 人工知能の不得意分野

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人工知能には適した用途と、適さない用途がある

人工知能は人間によってプログラミングされた情報の集積と発出です。入力と出力の繰り返しにより精度は上がりますが、自らの意志や感情で作動することは現在のところありません。それだけに適した用途と、適さない用途の区別は必要でしょう。

【人工知能の適した用途】

・与えられた問題の解答 ・明確な定義のある問題 ・多くの情報からの判断

【人工知能の適さない用途】

・問題そのものを考える ・不明確な定義を解く ・少ない情報から判断する

使う人間側の思考により、回答の精度と価値が変わる

情報量では、人間は既に人工知能に敵わない現状です。しかし人間には抽象的に物事を捉える能力があります。抽象的な感覚を自分なりの文字化をして、人工知能に精査させることこそ優れた使い方です。人に聞く気恥ずかしさもありません。一度のやり取りでは望んだ成果が出ないでしょうから、何度も質問する繰り返しも人間相手より人工知能の方がストレス少なくて済むはずです。人間にしか出来ないことと、人工知能が得意なことを上手に分担すると効果的な使い方が身に付くはずです。

欲しい回答を引き出すためのコツがある

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自分が何者かを告げるメリット

Chat GPTの特徴として、自分が何者なのかを告げるメリットが挙げられます。これは検索サイトと大きく異なる点。年配者なのか、主婦なのか、小学3年生なのかサラリーマンなのかにより、回答の口語調子のみならず返ってくる言葉の難易や内容すらも変わります。膨大なデータからおおよそ的確であろう単語が選択され返ってくる心地よさはオーダーメイド感覚でストレスのない使用感につながっていきそうです。自分が欲しい回答を引き出すためのコツを知った上で利用することが望ましいものですね。

肌感覚やイメージでも、文字化して使用してみる

人間は持ち備えていて、コンピュータには有していないことが、とても沢山あります。発想を始め、感覚やイメージは、前者に属するものです。Chat GPTを開いたのだから「さぁ、教えてください」では何も始まりません。人間だけが持つ、感覚や思いの領域に、人工知能の得意な分野である膨大なデータとのすり合わせを試みる使い方も楽しそうですね。人工知能が詩や、作詞、小説を書けることに注目されるのは、この視点からのものでしょう。ネット上の文字化された情報を検索して抽出する作業とは異なり、新しいものが生み出せる創造性が刺激される魅力に富んでいるものです。

過去の会話履歴や入力した情報が蓄積される

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過去の会話履歴や入力した情報もデータとして蓄積

今までやり取りした履歴や情報もデータとして蓄積されることで、個々の利用者に合わせて使いやすく変化していうことも魅力的です。嗜好や好みを把握し、より適切な回答を導くことにつながり、また文脈と会話の流れの蓄積は、滑らかな口語会話によるストレスのない使用感として評価されています。反面、会話履歴の蓄積は、個人情報やプライバシーに関わる可能性も指摘されています。自分や他人の個人情報が履歴に残ることで、第三者に悪用されないような使い方をするべきですね。

人間の関与が減少するリスクの回避

チャットによる対話形式が繰り返されることで、内容に偏りが生じる恐れがあります。新しいアイディアや創造性が求められる場合、過去のデータに依存した限定的な回答が生じる可能性が危惧されています。意思決定や判断が求められる場面では人間の経験や感情が必要にも関わらず、機械の自動化された応答に頼る習慣は好ましいものではありません。人工知能を効果的に、価値あるものとして使用する為には、ユーザー側が依存し過ぎずに、正しいバランス感覚で、悪意のない利用を心掛ける必要があります。

人工知能とも関わりの深いプログラミング思考を学ぶ教材「SPACEBLOCK」(スペースブロック)

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「スペースブロック」とは、ビジュアルプログラミング言語を利用したプログラミング学習教材。人工知能を使用する上で必要なプログラミング操作の基礎とプログラミング思考を会得するツールです。ビジュアルプログラミング言語を使用することで、文字を打つ必要なく、ブロックを組み合わせるだけでプログラムを作成できます。そのため、プログラミング初心者でも手軽に取り組むことができます。さらに、「スペースブロック」はオンライン上で利用できるため、どこからでもアクセスすることができ、初めてのプログラミング学習でも安心して取り組むことができます。このプログラミング教材「スペースブロック」は、経済産業省からEdTechツールとして認定され、全国の教育機関にも広まりつつあります。(※1)

(※1)

「EdTech導入補助金2022」は、学校等の教育機関と教育産業の協力により、教育イノベーションの普及を促進する事業です。

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